商品の説明
(出版社サイトより)
無人島に漂着しても、
この本さえ読んでおけば
肉にはこまらない!
わなの仕掛け方から、獲物のしとめ方、解体の手順まで、ていねいに解説。
狩猟ブームの火付け役となった著者による、子どものための「野生への手引き」。
狩りの基本や日々の生活をつづりながら、人間と自然との関係を深く見つめます。
狩猟をはじめてみてわかったのは、自然や動物たちのことを深く知りながら自
分の知恵を使って獲物を獲るということが、とてもわくわくすることだという
こと。
そして、自分自身の力で獲物を獲り、肉を手に入れるというのはやっぱりすご
いことだということ。はじめて獲れたシカと向き合ったときはめちゃくちゃ
ドキドキしたし、その生命を奪うときはとても緊張した。苦労して解体した
そのシカの肉を友人たちと食べたときは、疲かれ果てて味はよくわからなかった
けど、とにかくうれしかったのを覚えている。
——————<中略>——————
狩猟をするようになって、もうひとつよかったことは、動物の命を奪って
その肉を食べることに、責任をもって向き合えるようになったということだ。
動物好きだったぼくは、「自分は動物の肉をいつも食べているのに、その動物の
命を奪うのをほかの人にまかせっきりにしているのはずるいんじゃないか」
とずっと考えていた。
お金を払って肉を買うということは、お金を払うかわりにほかの人にその動物を
育てて殺してもらっているということだ。
それが自分で猟をして獲物の命を奪い、その肉を食べるという立場になること
で、ずいぶんと気持ちがすっきりした。肉を食べるために必要なことを全部
自分自身の手でできるようになったからだ。
「はじめに」より
著者について
千松信也(せんまつ しんや)
1974年兵庫県生まれ。京都大学文学部在籍中に狩猟免許を取得。
先輩猟師から伝統のくくりわな猟、むそう網猟を学び、
運送会社で働きながら京都の山で猟をおこなっている。鉄砲は持っていない。
二児の父で、息子たちと一緒に山に入ることも多い。
著書に『ぼくは猟師になった』(新潮文庫)
『けもの道の歩き方 猟師が見つめる日本の自然』(リトルモア)。